〜 ベイト(エサ)摂餌習性〜
摂餌という観点から魚を大別すると2つのグループに分けることが出来る。
魚がエサを探す場合、視覚・嗅覚・聴覚を複合的に働かせており、釣り人は自分の狙っている魚に合わせたアプローチが必要です。つまり、その対象魚がどの感覚器官をメインに働かせて摂餌しているか?ということであり、これを分類すると、透明度のいい渓流に生息する魚や魚食魚はエサを発見するのに主に視覚に頼っており(視覚依存型)、透明度の低い中・下流部に生息する雑食性の魚は、嗅覚でエサとなる物質の存在に気づく(嗅覚依存型)。両グループともこれに聴覚を補助的に用いているものと思われます。 |
淡水大魚は嗅覚依存型に分類されるので、食わせエサのみより寄せエサを併用した方がより効果的である。 |
鯉釣りに使われる代表的な市販の寄せエサを表にしてあります。
寄せエサ〜主に魚を寄せるために使う | ||||||
鯉が食べそうなものはとりあえず、 寄せエサの中に混ぜてテストしてます。 動物性・植物性問わずタンパク質で匂いが あるものなら大抵はエサとして使えます。 ←これは乾燥納豆!ダンゴに混ぜます |
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初めてのポイントでは必ず使います。 寄せエサの中に混ぜてテストしてます。 アルコールは水中での拡散性に優れて いると思われ、寄せエサの粒子を流れに のせ遠くの鯉を呼び込みます。 ←これは日本酒!品名は鬼ころし |
タニシ | シジミ | アメリカザリガニ | スジエビ | キジ | ゴカイ | ||
生サナギ | 缶詰めコーン | 手つくり芋 | 干しブドウ | イナゴ佃煮 | ボイリー |
食わせエサ | ||||||
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分類 | 動物性 | 〔コメント1〕 | 〔コメント2〕 | |||
貝 類 |
タニシ | 水田・川・池等に棲む。卵胎生で初夏に小貝を産む。冬期は水のない田んぼで冬眠する。釣りに使われるのは、オオタニシ・ナガタニシ・マルタニシ・ヒメタニシの4種類。他にカワニナ等も使用される。 | 外道対策と大型狙いで鯉・アオウオの特効エサ。寄せエサとしても有効である。 | |||
カラス貝 | 池・沼・川等に棲むイシガイ科に属する淡水産の2枚貝。カラスガイの他に・イシガイ・タガイ・ドブガイ等も使える。 (海に生息しているイ貝類とは別) |
小型のものは殻ごと掛け、外道の少ない場所ではムキ身で使う。アオウオの特効エサ。 | ||||
シジミ | マシジミは川の上流の砂底に生息し、胎生で雌雄同体、ヤマトシジミは河口に生息し卵生、セタシジミは琵琶湖水系に生息。 | 殻ごと数個掛けかムキ身で数珠掛けで使う。鯉・アオウオのエサ。 | ||||
アサリ | 塩分濃度の薄い内湾に生息する2枚貝。 | 汽水域での鯉釣りに使う。ムキ身で使用する。 | ||||
環 形 類 |
キジ | 畑の湿った土や堆肥中に生息するシマミミズのこと。体液が黄色いから黄血の名で呼ばれる。釣具店で養殖された物が売られている。 | 鯉・マブナ等が好むエサである。水温の高い時期に使う場合、外道対策が必要。 | |||
ドバミミズ | 大型のミミズで竹やぶや野道の石の裏などで採取する。中国ではソウギョ釣りのエサにも使われるらしい。 | 匂いが強いので、夜釣りや増水で濁りが入った時に効果的である。 | ||||
ボッタ | 汚水域に生息するイトミミズのこと。都市部のドブなどに糸屑のようにからみあっている。 | 小型で細く、針に付けずらいのでリールを使った釣りには殆んど使われない。 | ||||
アカムシ | ユスリカの幼虫で成虫はカの仲間である。渓流〜汚水域にまで分布し、湖沼などでは水深30m位まで生息している。 | ゴカイと並んで冬場の鯉釣りのエサとして使われる。数匹を赤い糸で縛って使う。 | ||||
ゴカイ | 海水と真水が混じる河口や汽水域の砂泥底に生息する。1年に5回脱皮するからゴカイと呼ばれる。冬期の大潮時に生殖活動のために群泳することをバチ抜けという。 | 冬場の汽水域での特効エサ。2〜3匹を房掛けにして使う。針に付ける時は口の牙に注意! | ||||
イトメ | 淡水の流入する河口や内湾の干潟の砂泥底に生息する。ゴカイより細長く小さい。晩秋〜冬期にバチ抜けする。バチは淡紅色がオス・緑色がメス。 | 汽水域でのゴカイの代用品として使える。数匹を房掛けにして使う。 | ||||
甲 殻 類 |
アメリカ ザリガニ |
各地の水田や用水路・池等で普通に見られるザリガニ。もともとはウシガエルのエサとして1930年の6月に移入された外来種である。 | 大物狙いなら一匹がけが有効だが、マッカチンと呼ばれる大型の赤い個体よりも小型の個体の方が食いはいいようである。ムキ身の方がアタリ早い。 | |||
手長エビ | 夜行性で、低地の池や沼・本流では捨石や障害物周りの比較的流れの緩やかな場所に生息している。オスのハサミは体長の1.5倍ほどの長さになる。5月〜入梅期に産卵のため岸よりの浅場に乗っ込む。 | 一匹掛けで使う。 | ||||
モエビ | 淡水・海水産の2種類があり、淡水産は川や池の岸や藻陰に生息している。他にヌマエビ等。 | 海釣りのエサに使われる場合が多いエビだが、鯉にも有効である。尾を切って針を刺し腹側に抜く。 | ||||
イサザアミ | 体長1cm程度のアミ類で霞ヶ浦や北浦などの海跡湖に生息する動物プランクトン。霞に生息する鯉やコクレンが常食していると思われる。 | 食わせに使うには小さいので寄せエサに混ぜる。オキアミを食わせにして外道対策が出来ればコクレンが釣れるかも? | ||||
身 エ サ |
ペヘレイ | もともとは南アメリカ原産で1966年に神奈川県の津久井湖に移殖された外来種。霞ヶ浦等でも自然繁殖している。 | 霞ヶ浦等で使われる地域限定エサ。漁師が魚を捨てるドッグ廻り等で使用すると効果が高い。一匹掛けで使う。 | |||
ワカサギ | サケ目・キュウリウオ科に属する回遊魚で、沿岸の湖や川に分布するが、簡単に陸封化できるので各地の湖に放流されている。 | 霞ヶ浦等にも生息しているのでペヘレイと同じように一匹掛けで使う。 | ||||
ドジョウ | 用水路や田んぼ・小川等に生息する。雑食性で冬は泥の中で越冬する。腸で呼吸する変わった性質がある。 | 一匹掛け又は切り身で使う。 | ||||
昆 虫 類 |
サナギ | 成虫はカイコ蛾で、幼虫は桑の葉を食べて育つ。絹糸を採るために養蚕される。釣りエサに使うのは繭の中のサナギである。粉末状のものは寄せエサとして高い集魚効果がある。 | ビン詰めで釣具店で販売されているが、地方によっては鯉の特効エサで10kg単位で米袋に詰めて販売されている。水に浮くものと沈むものがあるので、食わせには沈むものを一匹〜2匹掛けで使う。 | |||
サシ | ウジ虫のことで、ハエの幼虫である。釣りエサとしては無菌培養された養殖ものが通年市販されている。紅サシは食紅でそめたもの。ヤマベやハヤ・ワカサギのエサとして知られている。 | 江戸川でサシを使って小物釣りをしていると、必ずといっていいほど鯉も食って来る。リール釣りに使うなら数匹を房さ掛けで使う。 | ||||
イナゴ | イネ科の植物の葉を食べる害虫である。夏〜秋にかけて河川敷の緑草帯や水の抜かれた稲田で見られる。「虫の味」という本にイナゴを生で食べたことが書いてあり、それによると「イネ科の葉の味がする」と書かれてあるので鯉以外にソウギョにも使えるかも? | 生きているものは採取時期が限定であるが、佃煮等に加工されたものが市販されている。エサに使う場合、尻から針を刺して背中に抜く。 | ||||
ブドウ虫 | ブドウスカシバの幼虫で茨城県以西に分布する。野ブドウやエビカズラのつるの中に棲む。釣具店でも販売している。 | 昆虫類の幼虫は殆んど鯉釣りに使えますが、あまり一般的ではありません。数匹を房掛けで使う。 (鳥のエサのミルワームも同じもの) |
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ヤナギ虫 | カミキリモドキの幼虫でネコヤナギの枝に棲みつく。釣具店で販売している。 | 昆虫類の幼虫は殆んど鯉釣りに使えますが、あまり一般的ではありません。数匹を房掛けでつかう。 | ||||
クリ虫 | クリシギゾウムシの幼虫で栗の実の中に棲む。釣具店で販売している。 | 昆虫類の幼虫は殆んど鯉釣りに使えますが、あまり一般的ではありません。数匹を房掛けでつかう。 | ||||
ハチの子 | ハチの幼虫でハチの巣にいる。自家採取だが、ハチに刺される危険が大きいので注意! | 昆虫類の幼虫は殆んど鯉釣りに使えますが、あまり一般的ではありません。数匹を房掛けでつかう。 | ||||
分類 | 植物性 | 〔コメント1〕 | 〔コメント2〕 | |||
植 物 類 |
アシ | 沼地や川岸に群生して生える多年草である。茎の細いものは葦ずの材料になる。「ヨシ」ともよばれる。2m〜3m程の高さに育つ。 | ソウギョ釣りのエサ。やわらかい葉の部分を束ねて使う。 | |||
マコモ | 根を横に伸ばして群生する。細長い葉は50cm〜1mに育つ。 | ソウギョ釣りのエサ。やわらかい葉の部分を束ねて使う。 | ||||
エビモ | 湖沼や河川の比較的浅場に群生する。葉は細長い。 | ソウギョ釣りのエサ。やわらかい葉の部分を束ねて使う。 | ||||
イネ科類 | イネ科類の陸生植物で、ムギ・ハトムギ・トウモロコシ等の若葉なら上記の代用品として使える。 | ソウギョ釣りのエサ。やわらかい葉の部分を束ねて使う。 | ||||
加 工 品 |
イモ類 | サツマイモやジャガイモはふかしたものを角切りにして使う。干しイモやイモヨウカンといった加工品が手軽に使えて便利。 | 鯉が特に好むエサである。どこの釣り場でも通用する万能エサ。大型を狙うなら食わせは大きめに。鯉・ソウギョ・アオウオも釣れる。 | |||
コーン | イネ科のトウモロコシの実である。イモと並んで植物性の鯉釣り食わせエサの主流。缶詰が手軽に使えて便利。江戸川では吸い込みの食わせに使う場合、イモよりも釣果が良いように感じます。利根川では、外道のアメリカナマズ対策が必要です。 | 3〜4粒を針に付ける。 | ||||
食パン | 市販の食パンも手軽に使えるエサの一つです。江戸川下流域では、鯉・アオウオ・ソウギョが狙える万能エサとして使われているようです。 | 水を吸うとふやけるので、手で丸めた方がいいようです。耳の部分を使うとエサ持ちがよくなります。 | ||||
ちくわ | 白身魚の練り製品として市販されているちくわも使えます。ちくわは断面が中空なので、見かけ上エサを大きくできます。 | 1cm位に輪切りにして使います。外道対策に有効です。 | ||||
干しブドウ | ブドウを干して乾燥させたもの。レーズンです。通年市販されているので便利。プルーン等も使えます。 | 水を吸うと膨らむので1〜2粒を針に付ける。 | ||||